福島県石川郡平田村の『若清水酒造株式会社』様は、年間製造量300石(1.8ℓで3万本)と小規模ですが、宝暦元年(1751)の創業以来、約260年間、地元産の米にこだわった日本酒を造ってこられた、地域密着の造り酒屋です。ちなみに、『若清水酒造』様がこだわる地元産の「千代錦」は、都道府県指定の酒造好適米ではありませんが、山間部などの気温が低い場所での稲作に適した品種で、多くの日本酒に使用されている酒米です。そして、米のほかに、『若清水酒造』様が造る日本酒のもうひとつの特長は、酒蔵からわずか200mのところに湧き出ている清涼な水です。その土地で収穫する米を、その土地の水で仕込んでこその“地酒”──ということでしょう。
日本酒は、精米歩合(白米の、玄米に対する重さの割合)によって、大吟醸酒、吟醸酒、純米酒、本醸造酒などの〈特定名称酒〉と、それ以外の〈普通酒〉に分かれますが、これまで〈普通酒〉を造ってきた『若清水酒造』様が、〈特定名称酒〉を仕込むことになりました。ご依頼は、その吟醸酒[純吟(JUNGIN)]のロゴマークと、パッケージ・デザインです。
「軽くてさっぱりとした」「フルーティーな」「若い人や、女性にも受け入れられる」飲みくちの日本酒──お話をうかがって、日本酒の需要減少に待ったをかけようという、老舗蔵元の意気込みを感じました。
ロゴマークとパッケージのデザインも、「宝暦元年創業の老舗」「標高500m──阿武隈(あぶくま)山系の寒冷な気候と、清涼な伏流水」という造り酒屋としてのUSP(ユニーク・セールス・プロポジション=強み)を生かしながら、従来の日本酒を脱した、まったく新しい飲み物・飲み方をプレゼンテーションするという、きわめて戦略的なものになりました。
大吟醸酒など、将来企画されるであろうラインアップを想定したデザインや、商品に同梱する小型リーフレット、ポスト・カードのご提案も、その戦略的展開を踏まえたアプリケーションの一例です。

日本酒のラベルということにこだわっていただく必要は、まったくありません。これまで、どこの日本酒メーカーさんもやらなかった、洋風のデザインを希望します。(9代目当主:佐藤喜告様)
〒963-8112 福島県石川郡平田村大字北方字寺屋敷18
TEL. 0247-54-2019
FAX. 0247-54-3108
http://www.wakashimizu.jp/
※この事例は、2010年9月29日開催の《ふるさと産品ブランディングセミナー》の教材として使用させていただくことを目的に募集し、
無料で試作したものです。現段階で、試作したロゴマークやパッケージ・デザインが実際に使用されているわけではありません。



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